COOPERATION

海外海上保安機関の能力向上

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海上保安実務者に対する海上犯罪取締り研修の実施
令和6年度事業(海上犯罪取締り研修)
1.
目的
海上保安協会では、海上保安庁、(独法)国際協力機構(JICA)と連携、協力し、海外海上保安機関の実務者を対象に「海上犯罪取締り研修」を実施し、各国海上保安機関の海上犯罪取締りに関する能力向上を図ることとしています。

2.
参加国・人数
 ジブチ1名、インドネシア3名、マレーシア2名、モルディブ2名、モザンビーク1名、フィリピン1名、サモア1名、ベトナム1名、バングラデシュ1名、東ティモール1名、エジプト1名、イエメン1名、マダガスカル1名、ミクロネシア1名、ソロモン1名、トンガ1名、キリバス1名(17カ国21名)
3.
実施内容
   (独法)国際協力機構(JICA)横浜センターから、2024年度課題別研修「海上犯罪取締り」コースを受託し、6月24日から8月2日まで約7週間の日程で、海上保安庁、海上保安大学校、第三管区海上保安本部・第七管区海上保安本部のほか海上保安部、航空基地、海上交通センターにおいて、海上犯罪取締りに必要な知識・技能に関する講義、視察及び実習を行い、参加国の海上保安体制や海上保安組織に所属する職員の能力強化を図るとともに、国際人的ネットワークを構築し、「自由で開かれたインド太平洋構想」(FOIP)の下、各地域の平和と安定の構築に貢献しました。
研修プログラムには、海上犯罪取締り・海上警備実施に係る基礎的事項、密航・密輸、違法操業及び海賊対策や国際法に関する講義のほか、航空基地、海上交通センター、ODA建造造船所及び巡視船艇・航空機の視察や制圧術、現場鑑識及び工場排水分析に関する実習・訓練を行いました。
    また、本研修中には、MSP(海上保安政策プログラム)研修生、過去に本研修に参加した帰国研修員(オンライン)との意見交換や、海上保安協会理事長(元海上保安庁長官)による海洋安全保障に関する講義が行われ、研修員はこれら研修を通じて得られた知識・技能などを活かして、最後に各自の所属先である海上保安機関での業務向上や改善を目指す「アクションプラン」を作成、発表し、研修員に加え、海上保安庁関係職員、JICA研修関係者と討議しました。
研修の状況
開講式(JICA横浜)
制圧訓練(横浜海上防災基地)
海賊対策講義(海上保安大学校)
巡視船視察(第七管区本部)
海上交通センター視察(関門マーチス)
航空機視察(北九州航空基地)
鑑識(指紋採取)実習(第七管区本部)
鑑識(血痕識別)実習(第七管区本部)
ODA建造艇視察(墨田川造船)
沿岸密漁事犯取締り演習(横須賀保安部)
海上警備実施訓練視察(横浜保安部)
東京港内外視察(巡視艇まつなみ)
海洋情報資料館視察(東京都青海)
工場排水採水実習(東京都青海)
工場排水分析実習(海上保安試験研究センター)
MSP研修生との意見交換(JICA横浜)
海洋安全保障講義(海上保安協会理事長)
閉講式(JICA横浜)
東南アジア海上保安機関の能力向上
令和元年度事業
1.
目的
中東・ヨーロッパを結ぶシーレーン(海上輸送路)は我が国の生命線と言っても過言ではなく、その海上交通の安全確保は、国民の安全・安心に直結しており、本来、同シーレーンの沿岸国が自国管轄海域において適切に法執行活動等の海賊対策を実施しなければならないところ、同沿岸国の海上保安機関の能力にはばらつきがあり、各国の現状を踏まえた内容について支援・協力していくことが必要である。
このような実情を踏まえ、各国海上保安機関の現状や同機関が支援・協力を求める分野等に応じて、同沿岸国に対し効果的な支援・協力を行うこととする。
また、日本関係船舶に対する海賊事案発生時には、情報共有や効果的な事案対処のため、同沿岸国海上保安機関と緊密な連携が必須であるところ、上記支援・協力の実施にあわせ、連携協力体制の構築・促進に努める。
これらの取り組みを行うことにより、我が国海上輸送路の安全を確保する。
2.
派遣巡視船、派遣国、寄港日等
海上保安庁が各国に派遣中であった巡視船及び乗組員等の協力を得て、以下の寄港日・場所、参加機関により訓練等を実施した。

(1)第1回派遣(巡視船つがる)
①ブルネイ・ダルサラーム国
令和元年6月26日~6月28日
ムアラ港 3日間
ブルネイ王立警察
②フィリピン共和国
令和元年6月30日~令和元年7月5日
ダバオ港 5日間
フィリピン沿岸警備隊(PCG)等

(2)第2回派遣(巡視船えちご)
①インド
令和2年1月13日~1月17日
チェンナイ港 5日間
インド沿岸警備隊(ICG)等
②マレーシア
令和2年1月22日~1月25日
ポートクラン港 4日間
マレーシア海上法令執行庁(MMEA)

3.
実施内容
第1回のブルネイにおいては、海上保安庁モバイルコーポレーションチーム及び海上保安協会によるブルネイ王立警察職員を対象としたワークショップ等を実施し、フィリピンにおいては、ミンダナオ島南側のバシラン海峡で巡視船つがるとフィリピン沿岸警備隊巡視船2隻による海賊対策に係る連携訓練を行うとともに、ダバオ港沖で海上保安庁、フィリピン沿岸警備隊及びインドネシア海運総局の3機関による合同排出油防除訓練(MARPOLEX)を実施しました。
第2回のインドにおいては、チェンナイ沖で巡視船えちごとインド沿岸警備隊巡視船艇5隻による連携訓練を行い、マレーシアにおいては、海上保安庁モバイルコーポレーションチーム及び機動防除隊並びにマレーシア海上法令執行庁等と油防除に関するワークショップを行い、また、ポートクラン港内で実施されたマレーシア海上法令執行庁による海賊対処訓練を視察後、意見交換を実施しました。
訓練等の状況
ブルネイ ワークショップ
ブルネイ ブルネイ王立警察職員による巡視船見学
フィリピン 実働訓練前の机上訓練
フィリピン 排出油防除訓練
インド 沿岸警備隊との意見交換
インド 立入検査訓練
マレーシア マレーシア海上法令執行庁との意見交換
マレーシア 海賊対処訓練
海外海上保安機関との連携・協力